夫婦喧嘩中の不思議な金縛り
投稿者:弱い人 (1)
1ヶ月ほど夫婦喧嘩が続いていた時の事です。夫婦間で話しても話してもこじれるばかりで、とうとう1週間ほど口を聞かなくなる日が続いていました。
ある夜、仕事から帰宅し布団に入り寝ようとしたところ、子供を挟んで2つ隣の妻からすすり泣くような物音がしました。妻は子供が寝た後いつもイヤホンをして携帯で動画を見ているので、今日も何か映画を見て泣いたりしているんだろうと、あまり気にもとめずに就寝しました。
その後、深夜にふと気が付くと体が動かなくなっていました。金縛りです。正直、霊感などは全然ないので初めての経験でした。僕の体の上では何やらゴソゴソと忙しなく動く物音がします。なぜかその時「妻が僕に布団をかけ直してくれている」と感じました。喧嘩中である事は忘れ、いつもの世話焼きの妻の事を思い出し、しょうがないなぁとでも言いたげに上から下まで布団を綺麗にかけ直している妻の姿を想像したのです。それにしても体が動かない。とりあえずはなんとか声を出そうと思い必死に口元に力を集中させたところ、やっと「あー」と声が出せました。
声が出たのと同時に体も動くようになりました。隣を見ると妻も子供も寝息を立てて寝ています。おそらく体は寝たまま脳みそだけが覚醒し、そのずれにより金縛りのように感じていたのだろう、と思いました。しかし、そうだとしてもあの体の上のゴソゴソという忙しない物音は何だったんだろう。
翌日、妻と改めて話し込んでようやくある程度和解できるようになりました。世間話っぽい話もできるようになったタイミングで「あーそういえば昨日初めて金縛りにあったよ。なんか体の上でゴソゴソ音がしてるのに体は動かなくて焦ったけど、割とすぐにとけたからよかったよ。」と話したところ、妻からは「なんかそういえば私はあなたの布団をかけ直す夢を見たよ。起きてから『なんで夢の中でもコイツの世話しないといけないんだよ』と思ってムカついた。」と言われました。
もしかしてあの金縛りは妻の生霊の仕業だったのでしょうか。そうだとしたら怖いような、かわいいといえばかわいいような、不思議な気持ちです。生霊になるまで思ってくれてるのなら、普段からもうちょっと素直になってくれよ…。とは言わないでおきます。
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。