死んだ祖父が悪夢から助けてくれた
投稿者:ずずず (2)
私はよく夢を見て、それも悪夢を見ることが多かったのですが、その日は詳しい内容は覚えていませんがとても酷い悪夢を見ていたような気がします。
覚えているところは黒い霧のようなものに周囲を包まれて、明かりのない中で進む先もわからず歩いていました。そんな夢は初めてで、心臓がバクバクと大きく鳴り、手に汗をじっとりとかいていました。最初はそれほど不安ではなかったのですが、段々と不安が募り、ゆっくりと歩いていたのから早足になり、出口を探し始めることに必死になりました。
いくら出口を探しても明かり一つ見つからず、体力も限界で諦めかけていたとき、ふと左手に誰かが手を繋いでいるような感覚がしました。それに気づくと握られた左手はあたたかく、急に周囲がパアッと明るくなったような気がします。その手が引く先に向かってゆっくりと歩いて進んでいると明るい場所に出て、そこで目が覚めました。
起きた時に酷く汗をかいていて、不安感と緊張で心臓がドキドキとしていたのですが、ふと左手に温かくやわらかく包まれるような感覚がしました。それは死んだ祖父の手の感覚だと直感的に思いました。祖父は数年前に他界し、皮の余ったようなしわくちゃの少しだけ冷たい手でお見舞いに行くたび両手を強く握って、「私の元気をわけるね」と言って笑いあっていました。
祖父が他界してから久しくその手の感覚を思い出したことはなかったのですが、その不思議な体験をしたことで祖父に見守られているのかもしれないと思うようになりました。
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