不思議な予知能力を持つ先輩からの忠告
投稿者:黒ラベル (1)
若い頃、会社に霊感の強い女性の先輩がいました。少し繊細なところがあると感じていましたが、ある意味役に立つ特殊な能力があったと思います。
その先輩は仲間の災難を予知することができたのです。私が入社する前のエピソードをよく話してくれました。
誰かが仕事中に体調を崩して倒れてしまって救急車を呼んだことや、機械を扱うベテランの人が大きなけがをした時など、先輩の体に異変が起きていたようです。
先輩は普段は健康でバリバリ働いている人です。ところが会社内で上記のような出来事があった日は朝から左腕がとても痛かったというのです。
その痛みはちょっと痛いというレベルではなく、普段は感じたことのないようなズシンと重く体の芯から痛むというレベルだったようです。
普段感じないような重苦しい痛みがあった日に限って大きな出来事がある体験をした先輩は、自分でも不思議な予知能力があるのではないかと思い始めたようです。
それからは嫌なことが起こらないように帰宅後には腕のマッサージなどをしたり、疲れた日には痛みがなくても湿布を貼ったりして先輩なりに予防をしていたようです。
ある時、先輩は出勤してすぐに「皆さん、今日は私、腕が痛むので十分注意して仕事してください」と会社の人全員に聞こえるようにアナウンスしていました。
一瞬緊張が走りましたが、親切に教えてくれてありがたいとも思いました。
十分気を付けて仕事をしようと皆持ったはずです。
信じていない人もいたかもしれませんが、私は先輩の不思議な力を信じまくっていました。
その日、先輩があらかじめ痛みを教えてくれていたのですが、実はとんでもなく悲しいことが起こってしまいました。
若い男性社員のお父さんがトラック業者として出入りしていたのですが、運転中の事故で亡くなってしまったのです。
これまでで一番のショッキングな出来事に、先輩は泣いて落ち込んでしまいました。
先輩は何も悪くないのに、とても罪悪感を持っていたようです。
私が在職していた時に起こったこの出来事はいまだに忘れられません。
その後は私も転職してしまいましたし、先輩は遠くに嫁いでしまったので交流はありません。
今も腕の痛みで何かを予知しているのかどうか気になります。
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