虫の知らせ
投稿者:ラブ (2)
「虫の知らせ」というのをご存知じでしょうか。
皆さんどこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか。
私の祖母がなくなったときの体験です。まさに「虫の知らせ」がありました。
今から40年ほど前の古い話しになりす。当時、私は小学6年生だったと記憶しております。
コタツに入っていたので、季節は冬です。
1回目の「虫の知らせ」は、コタツに入ってルパン三世のアニメを見ていたときでした。
その日は、学校が終わってから夕方まで、友達と外出遊んでいました。帰ってきて、コタツでみかんを食べながら、ルパン三世を見ていたときのことです。
私は子供のときルパン三世が大好きでした。「大人になったら怪盗になるんだ」と本気で両親に話していたのを覚えています。それくらい大好きでしたので、画面に食い入るようにテレビを見ていました。
すると、突然食べ終えたみかんの皮がスゥーと少しだけ動いた気がしたのです。視界の下の方で移動したように見えました。
私は「あれ?」と思って、みかんの皮の位置を確認しました。しかし、動いたかどうかの判断はつきませんでした。なんだ気のせいか。とまた画面に視線を戻し夢中でテレビを見始めました。
見てるとき何故か不思議なのですが、お婆ちゃんに何かあったのかもしれないな。とふと頭に浮かんだのです。
すると、しばらくして、またスゥーとみかんの皮が移動したように見えました。
その瞬間に、電話が鳴りました。母が電話に出ました。「お婆ちゃんが亡くなったそうよ」と私に告げました。私は子供ながらに、ゾッと背筋が寒くなったのを覚えています。
それから、両親と私と3人で、お婆ちゃんが亡くなった病院へ駆けつけました。
お婆ちゃんは、すでに冷たくなり、二度と動きませんでした。両親と私は、お婆ちゃんに別れを告げました。
その後、病院の看護師さんに呼ばれて、手続きかなにかの話しを、両親はしていました。子供の私が聞いても分からないので、誰もいない病院のロビーのベンチに座って、両親が戻ってくるのを待っていました。
すでに診察時間も終わっており、外もすっかり陽が落ちていました。誰もいない病院のロビーは、薄暗く私は、なんだか怖くなってきまた。
早く両親が戻ってこないかなあ。と考えていると、入口の自動ドアが開きました。親戚の叔父さんが来たのかなと思い、自動ドアの方を見ました。しかし、そこには誰もいません。入ってくる人も出ていく人もです。私は怖くなりました。両親はなかなか戻ってきません。すると、また自動ドアが開いて閉まりました。誰もいないのにです。
私はもう怖くなって両親のところへ走っていきました。すると父が言いました。「お婆ちゃんな、2度息を吹き返したんだが駄目だった」と。私は思いました。きっと、息を吹き返したお婆ちゃんが私に会いたくて、知らせたんだと。今ではもっと、早く戻っていればと後悔しています。
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