気づいて欲しかったのか、連れて行こうとしたのか…

私は看護師をしています。霊感は全然ありませんが… 病院では夜勤中に見廻りをしていると、息をしていなかったり、すでに亡くなっていたりする患者さんを発見することがごくたまにあります。

私は新しく建て直したキレイな病棟で働いていました。 どこの病院もそうだと思うのですが、重症患者さんはナースステーションの近くで、退院が近くしっかりした患者さんはナースステーションから少し離れた病室にいます。

夜勤中、深夜1時か2時くらいです。ナースステーションで夜勤メンバー3人で談笑してました。すると離れた病室（比較的元気な患者さんの部屋ですね）から『うわー！』っと叫び声が聞こえました。

急いで声のした方に向かうと男性の4人部屋でした。 患者さんのベッド同士はカーテンで仕切られているのですが、電気が付いているカーテンを開けると結構声がデカくてお調子もののおじさんの所でした。 飛び起きたらしく、全身に汗びっしょりかいてハァハァしていました。

大丈夫ですか？と聞くと、『いや、寝てたんだけど誰かが思いっきり足引っ張ってきたんだよ‼』って言うんです。ほんとに声デカくてみんなで『シー！みんな寝てるんだから静かに喋って！』なんて言ってたら隣に寝てた患者さんが起きてしまい、カーテン開けて『どーしたの？大丈夫？』なんて心配しだしてくれて。それで、叫んだ患者さんの状態をひと通り観察したのですが、特に異常なかったので、夢でもみたのだろうと。

その後、同室の患者さんに、うるさくしてごめんねーなんて言ってまわったのですが、足を引っ張っぱられた患者さんの前のベッドのカーテンを開けたらそこの患者さんがすでに亡くなっていたんです。 すぐに蘇生処置に入りましたが助からずそのまま死亡確認となりました。

あの時は必死だったんで怖くなかったですが、その後考えると少しゾッとしました。 死んだのに気づいて欲しかったのか、連れて行こうとしたのか、、 不思議な体験でした。 ちなみに足をつかまれた声のデカイおじさんは無事に元気に退院しました。