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たまごとじさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

最後に来た父
短編 2022/06/26 06:54 1,026view

私の父が亡くなったときの話しです。

普段から病院嫌いの父は気づいたときにはもう手遅れの膀胱がんでした。
もって一ヶ月、そう言われてから2週間後に亡くなりました。

実家は千葉。私と姉は結婚して東京、埼玉。
その日は23時頃病院から、ちょっと危ないかもしれないと実家の母に連絡が来ました。
母はとりあえず病院に行き、私達のところにも連絡をくれました。
母からもうだめかもしれない、とラインが入りまもなく、亡くなりました。とラインがきました。

姉は車で、私は車がないので始発でいいからと連絡がきたので時間まで支度をしていました。
支度をしながら、「お父さん、もしいるなら最後に出てきてよ。怖がらないから出てきて。」と一人で呟いていました。

寝ている旦那を起こし説明をし、旦那と子供はあとから来るよう伝えました。
父は出てきてくれませんでした。

病院に行き、亡き父と会い悲しみのどん底に落ちました。
旦那たちも来て父と対面しました。
すると旦那が「昨日の夜金縛りにあったんだ。黒い影が上に乗って両手をぐっておさえてきた。あんなにはっきりしたの初めてだった」と言いました。

父だ、と確信しました。

私達夫婦はあまり仲良くなく、旦那のせいでストレス性皮膚炎になったり両親にも泣きながら電話したり、かなり心配をかけてきました。
母が金縛りの話しを聞いたあと旦那のいないところで、「あんたたちのこと心配だったんだよ。お父さん何も言わなかったけどいつも心配してたよ。だから最後に、頼んだぞって言いにきたんだよ」と言いました。

私は涙がとまりませんでした。
最後まで心配してくれた父。
旦那に伝えに来た父。
私のところにも来てくれればよかったのに、と何度も思ったけど、寡黙であまり感情表現をしない父だから、あえて娘の私ではなく旦那のところにいったのかな。

父が亡くなり数年。
今でもこのことを思い出すと涙が出ます。

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コメント(1)
  • 「むすめを泣かしやがったらタダじゃおかねーぞ」ってか?

    2022/06/26/14:53

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