幼少期の恐怖体験「呼ぶ声」
投稿者:苺苺 (3)
私は、あまり裕福な家庭環境で育っておらず、両親と姉と私の4人家族で狭い文化住宅(アパート)の2階に住んでいました。
当時は、霊能力者の怪談が夏に盛り上がりをみせるような時代で、母親と私と姉の三人で、8畳程度の和室で川の字になり、父親は玄関すぐの部屋で寝るような状態であったと記憶しております。
家族で誰が霊感が強いなども特にありませんでした。
ただ、時たま姉が金縛りにかかるといったことを経験していたようなことだったと覚えております。
その日は、暑い日の夜でした。
確か、真夜中の2時か3時ごろだったと面ます。姉が私を呼ぶ声がして目を覚ましました。その際に何度か姉の名前を呼びましたが、姉は寝言のように私の名前を呼ぶだけでしたし、私も何かの寝言だと思いそのまま、寝てしまいました。
翌日起床し、姉に笑いながら、「夜な夜な私の名前を呼んでいたよ」と朝食時に声を掛けました。その時は、あまり大した返答もなく、「なんなんだろう」ぐらいしか思わなかったと思います。
その日のお昼ごろになって、母に同じ話を持ち掛けたところ、母も私と同様に姉に夜中に呼びかけられたとのことでした。母も私と同様に、夜中の件が気になり、姉に話しかけたようでした。その際に、姉は、私には教えてくれなかった真夜中の出来事を母には話していました。
その出来事とは、姉が夜中気が付くと、金縛りにあい体が動けない状態であったことでした。全く体が動かなかったそうですが、目だけは開けることが出来たため、目を開けると、白装束をまとった男性が、何を言うこともなくただただ姉を見下ろすように枕元に立っており、姉は恐怖の中、横に寝ていた私と母の名を呼んだそうです。一心不乱に念仏を唱え、数刻が過ぎた際にスッと男は消えたそうです。男が消えると体の自由が戻り、放心状態の中姉は気を失ったそうです。
その話を聞いた当日、私が怖かったのは、その日がお盆の最初の日であったこと。また、1階に住んでいたのは、母方の母である私の祖母であり、姉が寝ているちょうど真下に仏壇があった事実。枕元に立っていた男性が写真に写っていた他界していた祖父とよく似ていたと教えてもらったことだったと幼心に記憶しております。
後日談になりますが、私の祖父は姉が生まれる前に他界しており、部下の不注意にて生じた火災の借金のために、自殺をしておりました。
その後は特別大きな事件もなく、当時の姉に何を伝えたかったのかは、今だ分かりません。
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。