白ブリーフハイハイ
投稿者:比丘 (2)
これは私が20歳の頃の話です。
私は20歳になってから夜中に抜け出して地元や大学の友人と飲みに出歩くのが日常と化しており、その日は渋谷近くの居酒屋で大学の友人と珍しく早い時間である18:00から吞んでいました。1軒では物足りず、2件目、3件目までふらふらになりながらもその場を楽しんでいました。
その後、友人が「次の日彼氏と予定があるからそろそろ帰りたい」と言いました。その時点ですでに24:00でした。
1人で呑むのも楽しくないし、まだ終電があったので私も彼女と一緒に帰りました。
私の住んでいる場所は田舎でもないし、都会でもない位置にあります。
駅の周りは明るく栄えていて人通りも多いけど、10~15分歩くともう街頭が少ししかない暗闇で人もあまり通らない場所といえば伝わるでしょうか。
私はいつものように駅に着き、いつも歩く道順で帰り始めました。その時点で夜の1時を過ぎていました。
帰り道には多くの坂道と曲がり角が存在しています。その中でも、坂を下りた先の右側に公園があります。
昼は子ども達が多くいる場所ですが、夜になると見るのも嫌になるほど空気が沈んでいるように見える公園です。
その日、私が公園の横を通ろうとした瞬間、横から視線を感じました。反射的に見てしまった私は見なければよかった、でも見てよかったと思いました。
公園に行くまでも坂を下り、公園の横とアパートの間にも小さな坂があります。
そこには、「白いブリーフしか履いていないおじさんがハイハイ」していました。しかも私に向かってハイハイしながら私を見て、よくにいうニタァーと笑ったんです。
本当にその瞬間酔いが冷めて、死ぬと思いました。
でも、みなかったフリをして早歩きをして、曲がり角を曲がった瞬間今までにないくらいダッシュしました。
家に帰ってきた時は今までに感じた事のないくらい安心感を覚えました。
その出来事を忘れられないまま、2日経った時に大学に行く為に昼だったのでその道を通りました。絶対その場所を見ないと一生のトラウマになると思ったからです。
見ても、案の定誰もいませんでした。
しかし、次の瞬間前から2日前に見たおじさんの顔をした人が歩いてきてニタァーとほほ笑んできたんです。
私の顔を分かられていると知った瞬間、もう終わったと思いました。でも、あれから何年も見ていないのであれは夢だったのか、本当だったのか分からなくなりました。
ですが、今でもあの道、あの顔を忘れる事はできないと思います。
終わった?
単なる変質者ですね。
やられる前にやりましょう。