小学生の頃、ラジオDJに憧れていた私は5年生のときに念願かなって放送委員に。
といっても別にラジオDJのように喋るわけではなく、給食のときに決められたとおりに放送を読み上げ(いただきますしましょう、とか)、BGMにクラシック音楽を再生する程度。
それでも何かDJのようなことがやってみたくて仕方なかった私は、空いている時間で自分がマイクに向かって話している声をテープに録音する遊びをしていた。
その日も通常放送の仕事終わりに録音をして遊んでいたのだが、後になって録音テープを聞いてみたら、私が喋っている声に重なる形で女性の声で「忘れられない」という声が入っていた。カセットテープは新品、何かに上から録音をしたわけではないし、当然放送室には私一人。しかしかなりハッキリと聞き取れる、私の声よりも少し大きいくらいの声で録音されていた。
何かの間違いかと思って何度も聞き直したが毎回ちゃんと聞こえる。
言葉が増えたり減ったりということはなかった。
その後高校生くらいまではテープをどう扱うべきかもわからず家に置きっぱなし、いつの間にやら所在がわからなくなっていた。
あれから数十年、後にも先にも心霊体験のようなものはこれくらい。
いったい何だったのだろうか…
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