嫌いだったおばあちゃん
投稿者:griiiin (3)
これは私が、幼少期から中学生のときのお話です。
父方のおばあちゃんは自由奔放な人でした。母方のおばあちゃんはよくしてくれて優しいおばあちゃんなのでどっちかというと父方のおばあちゃんは幼いながらに少し苦手意識があったと思います。
デパ地下のお惣菜が大好きでよくコロッケなどをたくさん買ってきていました。一緒に住んでいた時期もありましたが、友達の家を転々としたり、本当に自由な人でした。
ギャンブルが好きで借金の取り立ての人が来たこともあります…そのせいもありどんどんおばあちゃんが嫌いになりました。
小学校高学年のころ、ピンポーンと家のインターホンがなり、しばらく家に来なかったおばあちゃんがいました。
私は友達との約束があり、すぐにでなきゃいけなくて居留守をしてしまいました。おばあちゃんを家に1人でいさせられないと思ったからです。
5分くらいして家のドアを開けたらいませんでした。どこかホッとしてでかけようと思ったら団地の踊り場におばあちゃんがいたんです。
ただ、白髪が多くなっていてどこかやつれたような気がしました。
その時、『まゆみちゃんいたんだ』と声をかけられたんです。
でも、私はまゆみちゃんではありません。
久しぶりに来たおばあちゃんが印象も少し変わっていて、おまけに名前まで間違われて…すごくショックでおばあちゃんおいて逃げてしまいました。
後で聞いた話ではその時認知症が少しはじまっていたみたいです。
それからまたしばらくたち、おばあちゃんの事は忘れてました。
私が中学生になり冬休み、部活の合宿から帰宅しただいまとドアを開けたら家族の雰囲気が暗かったんです。
どうしたの?と聞くとおばあちゃんが昨日亡くなったから今から会いに行くよと言われ霊安室にいきました。
ふと思い出したのは名前を間違えられたあの日でした。ずっと後悔していました。おばあちゃんを置いて逃げた事を。
おばあちゃんが荼毘に伏され、お坊さんがチーン、チーン、と鳴らした音を聞いた瞬間、一気に腰が抜けたように倒れそうになり隣にいた母に支えてもらわないと立てなかったです。
その時の記憶もボンヤリとしているような感覚で、とても不思議でした。もしかしたらおばあちゃんがふっと帰ってきたのかもしれません。
私が後悔していたから大丈夫と言ってくれたのかな?立てるようになった瞬間から涙がとまりませんでした。そんな不思議な体験でした。
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