道路の上を移動する白いもや
投稿者:ボルシチ (4)
これは私が中学生の時の話です。
時刻は深夜2時でした。
私は、当時飼っていた犬におしっこをさせるため、庭に出ていました。
田舎ということもあり、星がきれいに見えていたため、私は玄関前の階段に立ちぼーっと星を眺めて過ごしていました。
すると突然、コツ、コツ…という小さな足音のようなものが聞こえてきたのです。
最初はどこから聞こえているのか分からず、辺りを見回しました。
そこでふと、側の道路に目が留まりました。
家の隣には小さな畑があり、その向こうに道路がありました。
その道路沿いに設置された街灯の下に、白く縦に細長いもやのようなものがありました。
そのもやが、ゆっくり道路の上を移動していたのです。
それを認識した途端、急にコツ、コツ…という足音がすぐ隣で歩いているかのように大きくなり、耳元で鮮明に聞こえるようになりました。
驚きと恐怖でいっぱいになりましたが、本能的に、動いたり声を出すと気づかれると感じました。
私は硬直したまま、目を逸らすことができずそのもやを見つめ続けました。
足音はヒールのように聞こえたため、おそらく女性ではないかと思います。
もやはゆっくりと道路の上を移動し続け、庭に建っていた小屋の陰に隠れてしまいました。
その直後、身体が動くようになり、私は急いで家の中にいる家族を呼び出しました。
何かあったのかと慌てて出てきた家族に、「小屋の向こうの道路を変な女の人が歩いてる!」と言いました。
すぐ確認してくれましたが、女の人どころか誰も歩いていませんでした。
一本道の道路で、他に隠れられる場所はありません。
結局私が見たものは何だったのか、未だに謎です。
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