夜の学校を探検して見たもの
投稿者:五日市 (1)
私が小学生の頃流行った児童書がある、「学校の怪談」「幽霊レストラン」など今でも現役の怖い児童向けの本である。
私は読むことが大好きだったのと、その本から受けるさまざまな未体験の恐怖体験が面白くいつしか私も夜の学校を探検したいと思っていた。
しかし、さすがにそれができるわけでもなく。やってみたいね、ここの校舎木造だしきっとでるよね。第一図書室でひとりでいると勝手にドアが閉まって閉じ込められるんだって!
隣の美術室ではね、黒板の上にある肖像画の目がぎょろって動くんだって!
そうやって、その日は友達と怖い話を集め学校七不思議ができないものかとやっていたが、どれも結局は本からの受け売りで面白く感じることなくそのままお開きになった。
次の日学校が終わり、友人と遊ぶべく急いで一旦お家に帰りいつものように友人の家に向かえばニコニコしながら会うなりこう伝えてきた。
「今夜、おじいちゃんと一緒に近所お散歩しよ」
「え?なんで?」
「夜の学校には入れないけど、外からは見えるでしょ!なにかあるのが見えるかも!」
「えっ!そういうこと?!うん、おさんぽしよう!」
そんなこんなで家に帰り、家族には晩御飯を食べたあと友人と友人のおじいちゃんも散歩に行くと伝えて、その時間までワクワしながら待っていた。
「来たよ!」
「うん!いこいこ!」
自分の家から小学校はそう遠くない、夜道なので車などに注意しながらドキドキを抑えながらいつもの通学路を歩いた。
「やっぱ閉まってるね」
もちろん夜なのでだれもいなければ門も閉まっている。門に登りながら中を目を凝らして見る。夜の学校はどこか不気味で、本で読むような怖い何かがいそうで。青白か光る廊下を凝視していた。
「やっぱなんもいないね、くる途中にいた二宮金次郎の像も動いてなかったし。そろそろ帰る?」
「うん、そうだね。……ってあれ?」
「おじいちゃんのとこ行こうよ」
「ねえ、廊下のあたりの消火器の赤いところなんか白いモヤ飛んでない?」
「えっ??どこ?」
「ほら、教室の前の廊下」
「っ、か、かえろ!はやくおじいちゃんとこ行こ」
「えっ、ちょちょっと待ってよ〜」
わたしだけはっきり見えたのか、友人に見えたのか慌てて走り出したのでわたしもつられるようにその場を離れたのでわかりませんが、わたしははっきりと見ました。青白い廊下をモヤが漂っているのを。
夜の学校には本当に何かがいるのかもしれない。
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