祟り寺の山
投稿者:がり (4)
短編
2022/07/31
20:39
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私は都心部から2時間ほど車を走らせた山の麓で3年ほど暮らしていたことがあるのですが、その時の地元の伝承に関わった結果、少し怖い思いをしたので書かせていただきます。
当時の私は上京をしたものの、都会の喧騒にやられてしまい、また田舎暮らしに憧れてそのある町に引っ越しました。町と言っても、集落のようなところでした。
集落の人はみんな親切にしてくれたのですが、「祟り寺の山にだけは入ってはいけない」といつも言うのです。祟り寺は、集落から少し離れたところにある寺でした。
興味が湧いた私は、引っ越してから町にも慣れたある日、行ってみたのです。
そこは、藪の中で寺というよりは祠という感じで、小さなお堂と縄が巻かれた石が3つ並んでいるだけでした。
私が行った時間は夕暮れ時だったのですが、石を眺めていたところ石の後の方から「こっちこーい、こっちこーい、肉を削ぎや、骨をしゃぶれや、こっちこーい」という歌?のような声が聞こえてくるのです。
祟り寺の裏は小さな沼になっており、やがてバシャバシャという音も聞こえ始めました。私は怖くなって、慌てて家に帰りました。
翌日、玄関のドアを開けると玄関マットに泥がたくさんついていました。
それを見た隣のおばさんが血相を変えて盛り塩を持ってきてくれたのですが、詳しいことは教えてもらえませんでした。とても怖かったです。
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人なのか人ならざるものなのか
想像したら怖い
都心から2時間くらいか、どこだろう