城跡の竹林にて
投稿者:you-ki (1)
40歳の私が10歳ごろの話なので、30年ぐらい前の夏の話になります。
当時、よく一緒に遊んでいた友達といつものように野山を駆け回ってました。私の地元は特に何があるわけでもないごくありふれた田舎だったんですが、江戸時代から明治にかけてお城があったらしいということは知っていました。実際、今でも資料館があったりします。当然のようにお城のあった山でも遊んでいました。ただ、直接城跡で遊んだりはしませんでした。城跡の場所まで結構奥までいかなければならず、普段は山の浅い場所で遊んでいました。
あるとき、どちらからというわけでもなく、城跡まで行ってみようということになりました。なんでそうなったか今思い出しても明確な理由がわかりません。時間はまだ午前11時ぐらいだったように記憶しています。どんどん城跡に行くにつれ、当時の石垣だったり、人工的に作られた切通だったりわくわくするような痕跡を確認できました。天守閣跡と思われる石垣とちょっとした広場で、2~30分ほど遊んで、さあ帰ろうかと山を下りて行ったとき異変が起こりました。来た道を帰っていったはずが、気が付くと竹林に迷い込んでいました。こんな場所あったんだ、と思って帰り路を探していた時、それまでずっと木々の音や風の音、鳥の鳴き声が聞こえていたんですが、気が付くと無音になり風も止んでいます。お昼だというのに薄暗くなっており、まるで別の次元に入ってしまったような感じでした。友人も異変に気がついて一緒に帰り路を探してさまよいました。体感で1時間ぐらい、ほんとに怖かった。
きっかけは何だったのか、次の一瞬、さーーーーっと風が吹き抜けたその時から、元の明るさに戻り音も聞こえてきました。それから無我夢中で友達と山を駆け下りました。あんなに迷ったのに、すんなり覚えのある場所に出ました。時間はまだ昼前でした。山で遊んでいた時間丸々なかったことになっていました。
後日調べたところでは、城跡付近では戦で人がなくなったような場所だったらしく、軽率に山に立ち入った僕らへのバツだったように思います。
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。