神社からの呼び声
投稿者:you (1)
私の家の近くには地域の人に氏神様として祀られている社があります。
きちんと手入れや掃除も行き届いており、何処にでもある ごく普通の神社です。
夜勤で家を出る兄を見送るのに駐車場までついて行った時の事。時刻は22時過ぎ。
住んでいるのは割と田舎なので辺りは しん…と静まり返っていました。
しかし、駐車場に近付くにつれ何処からか声が聞こえるのです。それも「おおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉい…」と。
最初は飼い犬だか飼い猫だかを探している声だろうと、そんなに気にしませんでした。
兄と他愛ない話をしている間に駐車場に着き、車に乗り込んだ兄が職場へと出発して、私は少し散歩して帰ろうかと思い神社がある方へ歩き始めました。
また声が聞こえます。さっきよりもはっきりと。
声は、おじさんと言うよりは”おじいさん”かな?と思う声で やはり「おおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉい…」と言うのです。
こんな時間まで探してるなんて余程可愛がってた子なんだなぁ~と思いながら神社の前を通り掛かった時、今までで一番大きな「おおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉい…」が聞こえました。
神社を見上げた私は、ああ 神社の境内を探してるのか!と思いました。何故なら、そびえる階段の先… 社がある辺りに薪を焚いたような明かりがあったからです。
同時に疑問が湧きます。
普通は懐中電灯とか携帯のライトとか使うよな、と。
この神社は祭りの際など薪を焚く事が多く、参道にも蝋燭を入れた竹灯籠をよく設置していたので薪を焚いてるのかと真っ先に思ったのですが、なにかの行事でもないのにする訳ないですよね。
けれど、見えた明かりは人工的な光じゃないんです。
柔らかいオレンジ色でゆらゆらしてる感じなのです。
あ、これ もしかしてやばいやつでは…と思い始めた時、耳元で特大の「おおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉい…」。
すかさず神社の前から駐車場まで逃げました。冷や汗だらだらで心臓痛い。
とにかくもう外に居るのが怖くなって家まで走ろうと足を踏み出したのですが、神社の方を見ちゃったんですよね。
幸いにも声は追い掛けて来る事はなく、しかしずっと「おおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉい…」と言い続けている。
そして、木々の間をでっかい火の玉みたいなものが飛んでいる。
社から参道の辺りをでっかい光の塊が飛んでるんです!
「おおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉい…」って言いながら!!
あ、無理… と思って家に逃げ帰り、母にこれまでの話を告げると「あー… あっこ確かに日によって夜に おーい、おーい呼ぶ声するね」と冷静に返されました。
時々、篝火みたいな明かりが点いてる時もあるねぇ とも。
結局何なんだろう。儀式か何かなのかな?怖い。