病院から持ち帰った椅子
投稿者:sumi (1)
まだ高校生だった頃の話です。
実話なので起伏のある展開はありませんが、よかったら読んでいただきたいです。
父親は総合病院の精神科で働いていました。(現在は別のサナトリウムにいてその病院にはいません。)
精神科なので、人の死に出会う事は少なく心霊体験なども全くなかったそうです。
診察室で10年ほど使っていた黒い椅子をある日父が持ち帰ってきました。病院で使う椅子を新しくしたそうで、黒い椅子は寝室に置かれました。
寝室では父と母が寝ているのですがしばらくしてから夜に必ず起きるようになり、朝にそのことを話してきました。
「起きたら布団がめくれてて寒かった。」
「布団が床に落ちてた。」
寝相が悪いという笑い話だと思っていましたが、ある日母が
「夜中に足を触られた。」
と言い出しました。その後父も、
「足が変な感じして、見たら跡がついてた。」
と、筋のような跡を見せてきました。
母は心霊を信じるタイプで、
「手の跡や!幽霊が足触ってきたんやわ。あの椅子がなんか連れてきた。足ひっぱられとる。」
と言いましたが父は病院でそんな体験もないので否定し、椅子は置くことに。
毎日のように母は足を触られたと言い、父も触られたと言い、二人の足に筋のようなものがあるので私は不安でした。
さらに1週間ほど経った頃。
母が夜中に足を触られる感覚で起きたそうです。
同時に父もガバッと目を覚ましました。
二人は足を触っていた主を目にしました。
スルスルとうごめく、白くて細い腕です。
白い腕が、黒い椅子から何本も何本も伸びていました。
布団へ、天井へ、とそれぞれの腕が何かを探すようにして這っていたそうです。
その日だけは何故か、1階で寝ていた祖母の足に跡ができていました。
黒い椅子はすぐに母が処分しました。
詳しいことは分かりませんがおそらく普通に粗大ゴミでした。
それからは足を触られて起きることもなくなり、なんだったんだろうねーとたまに話すくらいになりました。
その年のお盆、姉がその時1歳だった甥を連れて帰省してきました。
姉は甥と一緒に「ここがママの部屋だったんだよー」と2階をうろうろしていました。
父母の寝室に足を入れた時、甥が
「やー!やー!いや!」と暴れ始めました。
姉が「どうしたの!」と聞くと
「て!て!いや!」
と、泣きながら寝室の隅を指差しました。
ということは椅子はいまだに家にあるのかな
勘違いして申し訳ない
読み返したら処分したって書いてあったw
ってことは椅子についてた何者かはまだいるかもってことですね
コメントありがとうございます。私もまだ何かいる気がしています。処分される前に玄関に置いてある椅子を見ましたが、そんな不気味さは感じず…謎の手が離れて寝室に居着いたのかもしれません泣