きょうだい
投稿者:C子 (1)
私が小学生だった時の体験です。我が家は、お盆になると母の実家で一晩泊まることが恒例になっていました。その年も、親戚たちとお墓参りに行って、ちょっと豪華な夕飯を食べて、普段と違う部屋と布団で眠る…夏の楽しい時間を過ごしていました。
私には2歳上の姉と4歳下の弟がいます。当時、弟はまだ幼く、母と同じ部屋で寝ることになっていました。私と姉はもう小学生だし、すぐ隣が母の部屋だからと別室で2人で寝ることになっていました。子供だけの空間に気分も上々、少し夜更かしをして充実した気分で就寝したことを覚えています。夜中、私はふと目を覚ましました。お手洗いに行きたい気がして、隣に寝ている姉をまたいで廊下に向かったのですが、その時の姉の様子が妙に記憶に残りました。姉が長い黒髪を枕いっぱいに乱して寝ていたのです。特に変な光景ではないのですが、寝相が悪い私と比べていつもお行儀のよい姉が、こんな風に寝ているのがとても不思議で気になったのです。お手洗いから戻ると、私は眠気に勝てずそのまま眠りにつきました。
翌朝、朝食の席で「ねぇちゃん、案外寝相悪いじゃん!」と姉をからかいました。すると姉はとても不思議そうな顔をして言いました。
「昨日はあんたが寝た後、やっぱりお母さんのところがいいなって思って、お母さんのとこで寝てたんだけど。わざわざのぞいたわけ?」
…確かに、朝起きたとき隣には姉の姿はありませんでした。単純に起きるのが遅かっただけだと思っていたのですが、どうやら姉は結局私とは寝ておらず、私はあの部屋で一人で寝ていたようなのです。…では、隣に寝ていたあの黒髪の女の子は誰だったのでしょうか?夜の体験をありのまま説明しましたが、その場は、私が夢を見ただけということになりました。しかし、あまりに鮮明な記憶なので私はどうも夢だとは思えませんでした。
後から母からこんな話をされました。私たち3人姉弟の間には生まれなかったきょうだいがいる…と。流産か中絶か…込み入ったことは知りませんが、複数人いるようなのです。そういえば母は、お墓参りの時、大きな先祖代々の墓の隣にある小さなお地蔵さんにずいぶん長く手を合わせていました。
「もしかして、きょうだいの仲間に入りたかったのかな?」
母は明るく笑っていましたが、私は今でも背筋がぞっとします。
お盆だし帰省して来た皆と過ごしたかったのかな
シンプル怖い