誰かが呼んでいる
投稿者:マツ (2)
これは私が独身時代、アパートを引っ越した時の出来事です。
引越し先は私の通勤経路と当時付き合っていた夫の通勤経路が被ってるエリアで初めて住む街で、知り合いも居ない場所でした。
とはいえ、もともと地方から上京してきた私は初めての土地がそこまで苦にならず快適に過ごしていました。
ですが、新しい職場での勤務が始まると、思いの外ギスギスした会社で私はストレスを溜め込んでしまい、多忙な夫にしょっちゅう愚痴るわけにもいかず、実家の母とSkypeで頻繁に通話していました。
その日も仕事から帰宅後に母と通話していたところでした。
突然窓の外から「〇〇ちゃん」と私の名前を呼ぶ男性の声が聴こえたのです。知り合いも近所に居ないし、そもそも窓の外から人を呼ぶような知り合いもいないので、空耳か同じ名前の誰かを外で呼んでいるのだろうと思い無視しました。
「どうしたの?」と母に尋ねられた私は、「いや多分外で私と同じ名前の人を呼んでるっぽい」と返事をしました。
すると、
「〇〇ちゃーん」
と先程よりも大きな声で私の名前を呼ぶ声がします。しかもとても近くで。恐らくはカーテンを閉めていた窓のすぐそばにいるであろう声でした。
怖くなった私は母に「また呼んでる」と言い、「でもありえないんだよね。反応するの怖いから無視決め込むわ」と宣言しました。
何かの本で「霊などは怖がると余計に寄ってくる。無視するか、強気でいると寄ってきにくい」と読んだ記憶がうっすらとあったので心の中で「あっち行け、お前なんか知らん」と念じたりもしました。
その後声がすることはありませんでしたが、何となく気味が悪くて、退居するまで朝開けたカーテンは出勤時閉めて出て夜帰宅後も絶対にカーテンを開けないようにしていました。
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