幽霊と行った富士の樹海ドライブ
投稿者:まろん (1)
ある夜、友達と集まって暇を持て余していた時。
“今から富士の樹海へ行ってみようか”という軽いノリから全ては始まりました。
メンバーは自分と親友、そして親友カップルの4人。
今から出発すれば、ちょうど真夜中に到着する時間でした。
行きは順調に車を走らせ、麓にあるコンビニを横目に3時間かけて無事に入り口に到着。
そして、心霊現象などテレビでしか聞いた事がない私達は面白半分で、車で回れる範囲で中へ行ってみようとなりました。
自殺の名所で名高い暗く怪しい雰囲気が立ち込める森の中に車を走らせる事数分、最初は何も起こらず、、
ビクビクとワクワクが混じり合った私達は”何も起きないで欲しい”という気持ちと”何か起きて欲しい”という得体の知れないゾクゾク感を味わっていました。
立ち入り禁止と書かれた標識を見て騒いだらしながら、そのまま車を走らせていたその時ー。
突然親友の彼女の様子がおかしくなり始めました。
“頭が痛い…”と。そして続け様に”ぎぃゃややーーー”と車内に響き渡る奇声を上げ、隣に座っていた彼氏の首を締め始めました。最初は2人で運転手と自分を驚かす為の冗談かと思いましたが、彼氏も”こんなの普通じゃない、彼女じゃない”と叫びます。
そして次の瞬間彼女が突然静かになり泣き始め、”天井に女の人が乗っかっているから振り解いて。車のスピードをあげて”と、、。
全員で息を凝らして車体の上に意識を向けると、人がへばりついてドンドンと車を殴っているような音がします。
恐怖に慄いた運転手は振り解くように車を猛スピードで走らせ始め、来た道を戻ろうとしました。
しかし、同じ道を戻ったはずなのに、行き止まりになってしまいます。
“何で⁈この道で来たのに!”とパニックになる運転手。すると彼女が、”その先はダメ。あの女の人が待ってる。あっちの道を進んで。”と、知らないはずの道を案内し始めました。
とりあえず彼女の誘導通りに車を走らせると、いつの間にか麓まで戻ることができていました。
麓のコンビニに停め、落ち着きを取り戻した彼女も含め全員で”何だったんだ、、”と放心状態で過ごした後、車のお祓いをしようという事になりコンビニで1kgの塩を買い、天井からぶちまけるように振りました。
“これでokでしょ!”と全員が一息つき、笑顔に戻った瞬間、冷静になっていた彼女が口を開きました。
“ねぇいつ行くの?やっと着いたんだから、早く樹海に入ろうよ。”
軽い気持ちで行く所じゃない!!!(涙)