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呪い・祟り

百太郎さんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

毎日動く赤茶色の「呪いの痣」
短編 2021/10/23 15:49 2,494view

もう15年くらい前の話なのですが、私が体験した話です。

ある朝、右腕に違和感を覚えて何気なく右の二の腕を鏡に映して確認しました。
そこには、昨晩お風呂に入った時には確かになかったはずの赤茶色い痣がうっすらとありました。
ちょうど、後ろから摑まれたように四本指のあとがみてとれます。

気持ちが悪いなと思いましたが、どこかにぶつけただけかもしれないとその時は見て見ぬ振りをして仕事にいったのですが、仕事中その痣がジンジンと痛むのです。
私は少し気持ち悪く感じました。

その時期、私は腕の永久脱毛に通っていました。そこのオーナーである女性が霊感があると有名な人だったのです。

痣をみつけてから1週間ほど経った頃、ちょうど脱毛の施術日になったのでその霊感のある女性のオーナーが施術をしてくれることになりました。

いつもどおり上着を脱いで腕を見せると、彼女は私の右腕を凝視して言います。

「これはよくないよ。誰かに相談した?」

彼女は、脱毛の施術にうつらず、まず私にそう声をかけました。やっぱりやばいやつだったかとぞっとしました。

「まだ、相談してないです」

「早く、相談してなんとかしたほうがいい。よくないモノだからね」

彼女はそういうと、本日の施術はとりやめになりました。痣に触れることができないからというのが理由でした。

これはさすがにヤバいなと、人よりは多少霊感がある母に相談しました。

私の痣をみるなり、母はすぐ知り合いのお祓いをしてくれる方に連絡を取ってくれました。

ですが、どこも「それは無理です。祓えません」という返事だったのです。詳しい理由は誰も教えてくれません。
お寺、神社を含め6件ほど連絡をしてくれたのですがダメでした。

途方に暮れている時、急に思い出したのです。最近叔父の会社が大きなお祓いをしたと言っていたことを。
すぐ叔父に連絡しました。

私の住む地域には「太夫」と呼ばれる方が大勢います。昔ほどはいないとは思いますが「おばあちゃんが陰陽師だった」などど普通に会話にあがるような地域です。

叔父が紹介してくれたのは、神社でもお寺さんでも霊能力者でもない太夫さんでした。

その時、生まれてはじめて太夫さんにお会いしたのですが、恰幅のいい人の良さそうなおじさんです。

初めてお会いした時は、神主さんみたいな格好をしていたと思います。

私の腕の痣は、その頃になるとはっきりと人の手の形をになり、その上、毎朝位置が動くのです。
肩になったり、首のあたりまであがったり…・最初の頃のような痛みはなくなっていました。

太夫さんは、私に会うなり
「昨晩、うちに来てたよ」と言いました。

なんのことかと思ったら、私に取り憑いているものが太夫さんのところへ昨晩きたという話でした。
「来るなって言われて、私も立ち上がれないくらいやられた」と言います。

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