嘘のような本当に2体の妖怪を見た話
投稿者:あぴた (2)
私が中学生の時、今から30年以上前の本当にあった嘘のような体験談です。
奇妙な体験をしたのは中学二年生の夏休み前の頃でした。当時バス通学をしていたのですが、部活を終えてバスを降りる頃には辺りは暗くなり、国道から一本中に入った少し狭い通りはとても寂しい雰囲気でした。
その日はムシ暑く、風が全く吹いていない日でした。今でもはっきりと覚えています。
自宅まであと200メートルぐらいに差し掛かったとき、前の方から、パタン、ペタン、ペタンと聴こえてきて、私はなんだろうと立ち止まりました。
するとペタン、ペタンの音が近づいて来てだんだん姿が見えるようになり、私は驚きの余り叫ぶ事も逃げる事もできず、その場に立ち尽くしてただただ見ていました。
その正体はから傘おばけでした。
昔のから傘が半分閉じているような状態で、大きな一つ目、一本の足があり、ペタン、ペタンと歩いてきました。
そしてその時、何か別のものを感じふと上を見上げたら、真っ白い一反木綿が、ふわーっと泳いでいたのです。
風は全く吹いて居ませんでしたが、確かに一反木綿は前に進んでいて、から傘おばけと同じぐらいのスピードで私の横と上を静かに通り過ぎました。
私は余りの衝撃に暫く正面を見つめて立ち尽くしていましたが、ハッと我に帰り後ろを振り返ったところ、すでにから傘おばけと一反木綿の姿は消えていました。
私はこの話をすると自分が頭がおかしくなったとか思われると思っていたので、ずーっと誰にも話しませんでしたが、この貴重な体験を話しておかなければと思いここに記しました。
日本海側西日本のイメージで読ませて頂きました。