大震災が起きた年の夏
投稿者:okami (2)
大震災が起きた年の夏の夜の、少し不思議な話です。
私は霊感などは全くなく、ごくたまに金縛りに合うことはありましたが、姿形を見たことは1度もありませんでした。
その日も夜はとても暑かったのですが、朝方はすこし涼しくなり寝苦しさはあまり感じていなかったように思います。
朝方まだ日が昇るかどうかの薄暗い時間帯だったということはハッキリ記憶しています。
眠っていたのですが、話し声が聞こえてきたんです。
夏だし、窓を開けていたので誰かもう外にいるのかなくらいにしか思っていませんでした。
ただ、声が聞こえるのでまた眠りにつくまでの間会話が聞こえていました。
女の人の声で「どこへ行けばいいのか、疲れたから休もうね」「もうすぐだから待ってて大丈夫よ」などよく分からない会話でなんの話をしているんだろう?そう思った時、これは外から聞こえる会話ではないと思いました。
凄く近い、これは誰か家の中にいるそう確信し飛び起きました。
薄暗い中におばぁちゃんと男の子が座っていました。
壁にもたれかかり、窓のそばにいます。
怖いと思うより先にどうやって入ったんだ?と困惑し、部屋を間違えたのかなど一瞬で色々考えました。
男の子は体育座りで俯いたままでしたが、おばぁちゃんと目が合ってこう言われました。
「ごめんなさいね、もう少しだけここに居させてくれる?」
私はそこで初めて少し怖いと思いましたが、咄嗟に
「あ、はい。いいですよ」
と言っていました。
「ありがとう、優しいのね」
そう言われたあと、日が昇ってきました。
窓から入る光でおばぁちゃんと男の子が透けているのが見えた瞬間から記憶がありません。
次に目が覚めた時には2人はいませんでした。
この体験は夢だったのでしょうか?
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