食いしん坊のおじいちゃん
投稿者:低血圧 (1)
これは私が高校生の時の実体験です。
私は母と父、兄の四人家族でマンションに住んでいました。
マンションは私と兄の自室から細い廊下が続いており、その先にリビング、台所、食堂がある構造になっていました。
廊下は暗く、電気を付けていないと真っ暗になります。
しかし私達家族4人全員、霊感とは無縁、むしろ同僚や周りがそのような心霊体験に会っている環境の中でも
家族だけ何も起こらない、気づかないというような鈍感一家でしたので
全く暗さなどは気にしていませんでした。
ある日、家族全員でさぁ夕飯にしようとなった時それは起こりました。
私は廊下、そして台所を背に向けて左側に座り、その右に母、
母の真向かいに父、そして私の正面に兄が座るのがいつものポジションでした。
兄以外の全員が食卓について、兄を待っていると。
廊下から食堂に入ってきた兄の背中に黒い影がついてきて、そして途中、台所側へスッと入っていったのです。
「ねぇ、見間違いかもしれないけど、今…」と私が言ったら、
母も父も「今お兄ちゃんの後ろに誰かついてきて台所入っていったよね?」
と言いました。
後ろについてこられていた兄は一人だけわかっていませんでしたが、
超鈍感一家である私達が兄以外全員その影を見たのです。
しかも全員その影に嫌な気持ちを持たなかったのです。
その時私は何故か自然と「あぁおじいちゃんだ」と分かりそういうと、
父も母も「確かにおじいちゃんだね。食いしん坊だし、お兄ちゃんの事大好きだったから見に来たんだね」と。
その日は祖父が亡くなって49日目でした。
最後のお別れ前に大好きな兄に会って、みんなでご飯食べているところに参加したかったのかもしれません。
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