祖母からのメッセージ
投稿者:亜莉亜 (1)
20年ほど前の出来事です。
夏のある明け方、珍しくはっきりとした夢を見ました。
夢の舞台は私が幼少期を過ごした平屋の一戸建て。
その家の中に、現実には無かったはずの階段がありました。
不思議に思いながら階段を上がると、その先には、まるでハイジの屋根裏部屋のような部屋がありました。
子供のころ憧れに憧れた屋根裏部屋!
そして、そこには3年前に亡くなったはずの祖父と、半年前に亡くなったはずの祖母がいました。
祖父は布団の中で眠っていて、祖母はその隣でこちらに背を向ける形で座っています。
「なんだ、二人ともこんなところにいたんだね。」
私は嬉しくなって祖母に声を掛けました。
しかし、振り向いた祖母の顔、顔であるはずのところには、まるでのっぺらぼうのように顔がありませんでした。
「ああ、やはりこの人たちはもうこの世のものではないんだ。」
私は悲しくなりました。
すると次の瞬間、部屋が目も眩むほどに明るく光ったと思うと、
祖母がまるで妖精のように光り輝きながら宙に浮いていました。
その時の祖母には、ちゃんと顔がありました。
祖母は言いました。
「私、○○ちゃん(私の名前)に会いたいよ。」
何のことかわかりません。
会いたいと言われても、私はまだ20代。
あの世に行くには早すぎます。
どう答えたものかと戸惑っていると、
祖母は物わかりの悪い私に呆れたような顔をして、窓の外に飛んで行ってしまいました。
目が覚めて、「おかしな夢をみたものだ。」と思いましたが、
その後は夢のことは忘れていつも通り仕事に行きました。
昼休み、実家の母から電話がありました。
要件は私にかけている保険の話だったと思いますが、
本題の後も時間があったので、お互い近況報告や世間話に花が咲きました。
「そう言えば、明後日お寺さんに行くんだけど、あなたもいかない?」
母が言いました。
「おばあちゃんの新盆だから、お経をあげてもらおうと思って。」
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。