たこ焼きを一緒に食べた、あの子は…
投稿者:ゼル (2)
短編
2022/05/29
15:13
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小学校の頃、野球部だった弟の話です。
その日、仕事が遅くなり部活の迎えに間に合わないと思った母は、同じ部活の保護者Aに迎えをお願いしました。
翌日、保護者Aが母に
「昨日(弟含めた)野球部員3人を乗せて、たこ焼き屋へ寄って、店内でたこ焼きを食べさせたのだけど、あんまり食べてなくて元気なかった気もして。昨日の練習キツかったんかな?家では大丈夫だった?」と、心配の言葉をかけてきてくれたようなのですが…
その言葉に、母は
「え?昨日は、歩いて帰ってきたよ。」
と首を傾げました。
そうなのです。母が迎えに来れない事を知らされていなかった弟は部活後、母の迎えをしばらく校庭の隅で待ち「今日は仕事が忙しいのかも?」と、家までゆっくり歩いて帰ってきたとのこと。
それを聞いた保護者Aは
「車に乗るときに、顔もちゃんと確認したし、家に入るまで見届けたし!あれは絶対、弟君だった」と主張しながらも「じゃぁ…車に乗せたあの子は!たこ焼きを食べさせた、あの子は一体誰?!」と動揺した様子、
一緒に車に乗った他の部員2人にも確認したところ「確かに弟君が乗っていた!一緒にたこ焼きを食べた!」と話たことで、その場は一気に謎と恐怖に包まれたのでした。
たこ焼きを食べた弟と、時同じく歩いて帰ってきた弟…
未だに謎のままの我が家のミステリーです。
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